爪水虫
爪水虫の原因
爪水虫とは「爪白癬」という疾患で、水虫と同じ原因菌の白癬菌感染症を指します。手足の爪の先に溜まった垢が原因となって、そこに水虫の原因菌の白癬菌が繁殖して起こる症状のことです。一般的に水虫は足の指の間にできるものですが、それが爪の中に感染を広げながら次第に進行していくと爪水虫の原因になります。
といっても水虫の自覚が無い人もいると思います。白癬菌なんて知らないよという人もいれば、軽度の水虫に気付かない人もいます。また、白癬菌の感染に気付きにくいのが爪水虫というもので、感染の進行度が遅いので気付きにくいというのも原因の一つになっています。
感染の進行が遅いとはいえ、爪に感染を起こすと古い角質などのいわゆる”垢”を栄養源にして白癬菌が大量に繁殖します。それが原因となり、床を介して家庭内感染を起こすことになります。
爪水虫の症状
爪が白癬菌に感染した時の症状としては、爪の色が変わるというのが最初に起こる症状ですが、足の爪の色が白く濁るだけでなく、爪の厚みが増すのが一般的です。通常の爪の生え方と異なって感染を伴いながら伸びていくため、そこから先の部分は分厚いまま伸びていきます。爪自体も脆くなるため組織も崩れやすくなっています。
女性の場合、爪の手入れを行っている人が多いので、男性よりは気付くのが早く治療も早期に行っているかと思います。男性の場合は視覚的に気付きにくいだけでなく、爪水虫の場合はかゆみや痛みを伴わないので気付きにくくなっています。
次第に黄色味を帯びて爪先が白く脆くなっていれば爪水虫も悪化しているのですが、爪を見ても気付かない人は意外と多いようです。気付かないまま家の中を歩いていると、水虫の原因になる白癬菌をばらまいていることになり、子供や幼児が水虫に感染することになります。爪の先の脆さを感じた時点、または爪の色が変だと思った時点に皮膚科を受診する方がいいでしょう。
爪水虫の治療法
一般の大衆薬(OTC)では完治を望めるものは無いと言われています。皮膚科を受診すれば10分程度の顕微鏡検査のあと、白癬菌が検出されれば内服薬としてラミシール、またはイトリゾールが処方されます。外用薬ではC.クレナフィンを毎日塗っていきます。これを続けて3か月~6か月ほど経過すれば1年後に80%が治癒すると言われます。
薬物療法だけでは治癒までに6か月以上かかります。感染していない新しい爪に生え変わるまでの期間が必要です。特に症状がないだけに途中で治療をやめる人も多いようです。レーザーを使った場合では1か月に1度、爪にレーザー照射を行うという治療法で、半年経過すると爪の半分程度は正常な状態でのびているという結果も得られています。
内服薬を続ける場合でもパルス療法を行うと、1週間服用、3週間休薬という飲み方で一定期間、効果が持続するというもので、長期間にわたって毎日服用する必要はなくなります。